物語
「どうもどうも、嘘を象徴するわるーいメガミ、レンリちゃんですよー」
嘘を象徴するメガミです。その第一の権能をカナヱは欺瞞の霧と称しました。彼女の言葉や行動は物語を覆い隠し、嘘偽りに基づくよう展開を捻じ曲げてしまいます。莫大な労力を尽くし伏線と因子を振りまけば、望むがままの結末が描かれるでしょう。そして欺瞞の霧をより狭い範囲で操れば、自らの攻撃、動作、言葉を異なるものに感じさせ、戦いにも活用できます。
第二の権能は身に纏った衣です。そこに刻まれた旧き文様を目覚めさせ、彼女は異なるメガミの姿を偽り、異なるメガミの権能を不完全ながら行使できます。
これらの権能はともに旧き文様に由来します。偽りの源泉は衣を付け替えたことにあり、ゆえにその武器はまさしく衣に他ならないのですから。
戦術
使いやすさ:★★☆☆☆
彼女の戦略を大雑把に分類するならば、近距離でのビートダウンとコントロールのハイブリッド、即ちビートコントロールでしょうか。クロックを刻むには十分な攻撃を扱いやすい間合で放て、豊富な対応や細やかな間合操作にて身を守れます。
しかし彼女の攻撃は勝ち切れるほどに強靭ではなく、対応も間合操作も相手を封じられるほどではありません。そんな彼女が勝ちの目を見出すには、相手から間違えて貰う必要があります。嘘偽りにて誑かしましょう。その技は嘘の影にあってこそ輝くのですから。
【特性:偽証】
通常札を通常の方法で使うならば、偽証を持つ各カードとして1回ずつ偽証できる。反証されなければ偽証通り使用して伏せ札にする。反証され、偽物なら使用できず捨て札となる。 本物なら相手は焦燥を受け、カードも使用する。
彼女はカードを使うにあたって嘘をつけます。例えば手札にある「フルバースト」を「嘘突き」だと主張しながら裏向きで使用できるのです。もちろん制約はあります。まず偽れるのは能力:偽証を持つカードだけです。そして相手には反証の権利があります。見破られたカードは掻き消え、嘘は無為へと消えていくのみです。
しかし本当の「嘘突き」を「嘘突き」だと裏向きで使う権利もあります。そこに相手が反証したならば無実の罪を追求した過ちを償って頂きましょう。焦燥による1/1のダメージに加え、もちろん「嘘突き」も問題なく使えます。
あなたの嘘はどれほど巧みでしょうか。盤面を踏まえて相手の心を推し量る推理力と、表情一つ変えずに嘘をつく奸智があなたにあるならば、彼女こそが最高の相棒となるでしょう。
カードリスト
N1 |
嘘突き |
攻撃 |
1-2、2/1 偽証 |
N2 |
都度討ち |
攻撃 |
3-5、2/1 偽証 |
N3 |
玄塗り |
攻撃/対応 |
1-5、1/2 偽証 |
N4 |
煽り殺陣 |
行動 |
相手は畏縮 |
N5 |
雲喰い |
行動 |
偽証
通常札3枚以上表なら手札を1枚伏せ札か畏縮。 反証され本物なら焦燥2回 |
N6 |
魚吊り |
行動/対応 |
偽証
間合→ダスト:1 |
N7 |
惹き騙り |
付与 |
納3 【展開時/破棄時】間合2↑なら間合→ダスト:1 |
S1 |
ルルララリ |
攻撃 |
消費4、0-10、1/2 反証失敗済ならオーラとライフの両方にダメージを与える |
S2 |
ラナラロミレリラ |
行動/対応 |
消費4 対応のみ使用可 |
S3 |
オリレテラレル |
攻撃/対応 |
消費2 眼前構築で選んでいない偽証カードを使用 |
S4 |
夜山恋離のなれの果て |
付与 |
消費1、納3 終端 |
カード個別解説
嘘突き
【使いやすさ】★★★
【基本性能】偽証できる2/1近距離攻撃。嘘が見抜かれなければ実質-/1になる。
間合2に張り付きメインクロックに
レンリの基本となる攻撃だ。2/1は牽制として標準的な性能に過ぎない。しかし偽証を通して毎ターンに渡り、間合2に居座りながら使えるならば実にいやらしい1枚となる。《離脱》や《後退》へのリソースを削減し、《前進》を繰り返す立ち回りならリソースが余るターンがある。その際に余った1手を2/1に割り振れるのだ。
間合2が簡単でないなら不採用も
相手に中距離を維持する力があり、間合2へと着地できる頻度が少ないと判断するならば不採用もありえる。その上で1、2回程度偽証で用いるのは大いに有効だ。採用率が高めの1枚であるため反証にもリスクが伴う。その際は通常札を1枚は隠したままにしておこう。
リソースを削る効果と偽証は高相性
焦燥による1/1はオーラやリソースが少なければ少ないほど受けづらくなる。ゆえに相方のカードを駆使してオーラを削れば反証に一層のリスクを与えられるぞ。リソースで優位を取りながら使う攻撃ゆえにここに書いているが、偽証全般について覚えておくといいだろう。
再構成直後の反証インセンティブ
再構成した直後の偽証は反証されやすい。そこで見えた情報を山札1巡に渡って活用できるからだ。ゆえに本物で偽証して反証を誘いやすくなるぞ。こちらも偽証全般の話として知っておこう。
コンボ・テクニック
本物を裏向きで使い、反証されなかった場合でも表にすることは可能だ。表向きの通常札を3枚作るのに役立つ。
偽物を裏向きで使った際にも反証の有無によらず必ず表向きにできる。上記の点に加えてクルルの機巧を揃える際にも有益だ。
都度討ち
【使いやすさ】★★★
【基本性能】偽証できる2/1中距離攻撃。表向き通常札3枚以上で3/1になる。
道中にご挨拶の嘘を
まずは間合を近づけていく途中で偽証で使おう。序盤に間合を寄せていく折衷の中ならばリソースも比較的余らせやすいので、反証されても大きな問題はない。オーラ受けならリソースに差がつき、ライフ受けならクロックを早められる。採用されている可能性も相応にあるため反証もやりづらく、採用して本物で同じ動きをするのも有効だ。
実際に採用するかは相手次第
2/1を使うために離脱するのは弱く、相方も合わせればよりよい攻撃がある可能性は高い。ゆえに実際にはデッキに入れない事例のほうが多いだろう。その上で相手が中距離以降の場合は返しのターンで使えるためデッキに入れやすくなるぞ。
玄塗り
【使いやすさ】★★★
【基本性能】偽証できる1/2広範囲攻撃。対応かつダストが減っていれば攻撃を減衰させる。
離脱からの連撃を弱める
対応効果が強く働くのは2/1を2/0にする場合だ。離脱から牽制として放たれる2/1に使えば後続の攻撃へのリスクもまとめて減らせて実に強力だ。他にもオーラが苦しい際に2/2を2/1にしてライフ受けしたり、3/2を2/2にしてオーラ受けを成立させる働きもある。切札にも有効であり、3/2あたりの中型切札に刺さりやすいぞ。
オーラ破壊と共に偽証
相手のオーラが1以下となれば偽証が仕事をする。「嘘突き」にあるような事情がより極端化した事例だ。リソースを削るカードと共に活用したい。
煽り殺陣
【使いやすさ】★★
【基本性能】畏縮させる。反証が失敗済みなら捨て札の偽証カードを手札に戻せる。
偽証に寄せた構築時の選択肢
相手が反証に失敗したら大きな利得が得られる。少なくとも反証されたカードが偽証を持つはずなので対象の心配はない。
裏を返せば相手の反証にリスクを与えるカードであり、これを見せると相手は反証により慎重になるだろう。即ち偽証を積極的に行いやすくなる。「嘘突き」による-/1の削り、「魚吊り」による間合1への拘束、「雲喰い」のリソース破壊などが働きやすくなり、近距離レンジロック戦略との相性はよいだろう。
デッキに入れる頻度は少ない
しかし相手依存であるためにやや使いづらい。よりデッキに入れたいカードを相方が持つ事例は多いだろう。マッチング相性の兼ね合いで相方の役割が乏しく、レンリに寄せた構築になる際には採用候補となる。
雲喰い
【使いやすさ】★★★
【基本性能】 偽証できる手札破壊。表向き通常札3枚以上でのみ有効。
偽証のリスクを活用しよう
2オーラを削りながらの手札1枚破壊は全力でない通常札として最高峰の成果だ。「影菱」「黒き波動」「砂風塵」などと比べても間合の制約や削れるリソースの総量など強いところが多い。
ゆえに相手は気軽な反証ができない。それを逆手にとって偽物でまず偽証し、それが通ってから本物を使えば2枚の手札破壊も可能だ。
表向きで使いやすいカードでタイミングを
表向き通常札3枚の制限ゆえに必要な際に使えない事例も多い。適正距離の広い攻撃や損になりにくい行動や付与など、表にしやすいカードを意識的に組み込んでおくといいだろう。この観点からレンリだけで考えるならば「煽り殺陣」も悪くない。
その際は併せて「都度討ち」や「オリレテラレル」からもアドバンテージを得たいところだ。
不採用時にもお忘れなく
相手が次のターンに連撃してくるリスクがあり、表向き通常札が3枚ある盤面ではこのカードを思い出そう。デッキの内容を全て明かさないようにしておけば偽証で使えるぞ。
先述の通り反証はされづらい。ただし反証するしかないほど追い詰めた偽証では反証されてしまう。序盤中盤で連撃の重要度が高すぎないタイミングや、相手のリソースが削れて反証失敗のリスクが高いタイミングなどで狙おう。
魚吊り
【使いやすさ】★★★★
【基本性能】前ステップ対応であり、偽証できる移動カードでもある。
安定したステップ対応
まず前ステップ対応であり、相手の攻撃に役割対象があるならその時点で強い。単一の適正距離を持つ攻撃は言うまでもなく、3-4や4-5の攻撃にケアをさせるだけでも利益的である。安心して採用してよいだろう。
オリレテラレルのための不採用も
3-4や4-5の攻撃にケアさせるだけで利益的とは、カードプールにあるだけで意義があるということだ。つまり採用する必要はない。「オリレテラレル」の存在はその側面を強調する。不採用なら「オリレテラレル」を前ステップ対応として運用できるからだ。「オリレテラレル」を採用し、「魚吊り」を採用しないという選択肢も眼前構築で考慮しよう。
偽証で間合1へと潜る
間合2から偽証で使えば間合1へと移動しつつ、焦燥を与えられる可能性がある。このカードの偽証は反証されやすい。反証に失敗したとしても、手札に「魚吊り」がないと確定させられ、ケアを切れることに意義があるからだ。そこを逆手に取り、「ルルララリ」や「雲喰い」に繋ぐ立ち回りは有効だ。反証されなくても攻撃を抑制でき、相手に情報は与えないので悪くない取引である。
偽物で偽証する場合でも上の要素を逆手に取るといいだろう。「ルルララリ」用のフレアがある、「雲喰い」できるだけの表向き通常札があるなどの状況証拠を揃えておくのだ。加えて山札の切れ目が近ければ「魚吊り」のケアを切れる期間が短くなるため、相手のインセンティブを減らせるだろう。
惹き騙り
【使いやすさ】★★
【基本性能】展開時と破棄時に間合を1ずつ近づける。
普通のゲームでは入れない
悪くはないが強いカードとも言い難い。平均的なゲームでは採用しなくていいだろう。
近距離レンジロックを補助
2ターンに渡って間合1に潜り、軽度の近距離レンジロックを実現できる。ゆえに中距離ビートダウンなど近距離レンジロックへの脆性がある相手への対策として採用したり、近距離レンジロックを狙える相方と合わせてレンジロック強度を高めるために採用したりできる。
遠距離レンジロックを対策
相手が遠距離レンジロックを狙える場合も採用を検討しよう。1枚で2前進できるのみならず、付与であるために自分のオーラを空けて《前進》する補助もできる。
ルルララリ
【使いやすさ】★★★
【基本性能】反証が失敗していればオーラとライフ両方にダメージを与える1/2攻撃。必ず再起しオーラへの1ダメージが付属する。
レンリのフィニッシャー
レンリが大きいダメージを与えるための1枚だ。相手が反証を失敗した形で1回使えればオーラとライフを揃って大きく削れ、それ以降の偽証の反証も難しくできる。レンリに寄せて偽証中心で戦うならば採用する価値は高いだろう。
後半に圧力をかけて嘘を通そう
ゲーム後半ならば「ルルララリ」をリーサルに組み込めば勝ちという盤面も多いだろう。その際には反証のリスクが最大化されるため、横暴な嘘すら通せるかもしれない。「ルルララリ」を採用していなくても切札を1枚見せず、フレアを構えれば圧力を出せるぞ。
コンボ・テクニック
「壬蔓」ならば重めのフレアを補え、相互的な補助ができる。オーラを削る「鋼糸」や「誘導」との相性も良い。
ラナラロミレリラ
【使いやすさ】★★
【基本性能】相手の手札から1枚を盗用する対応。
やや重いが連撃には刺さる
悪い効果ではないが消費4がやや重い。対応の切札としての性能はそこそこなので、刺さる相手にだけ的確に入れよう。
特に有効なのは手札を揃えて連撃でリーサルを狙う相手だ。サイネの「石突」→「八方振り」やヒミカの「マグナムカノン」→「ラピッドファイア」などが例となる。最も重要な1枚を抜いたうえで、手札を踏まえて受け筋を選べるため、ほぼ確実にリーサルを逃れられる。
逆に「月影落」のような一撃が重く、手札枚数への依存が少ない攻め筋には無力だ。相手によっては採用を控えるべきだろう。
オリレテラレルとの競合
比較対象として「オリレテラレル」があるために採用しづらい1枚でもある。それゆえに偽証カードを多く採用しているなど「オリレテラレル」を入れづらい理由があり、防御力を高めたいなら採用してもよいだろう。
オリレテラレル
【使いやすさ】★★★★
【基本性能】眼前構築で採用していない偽証カードを使う。表向き通常札3枚以上で再起。
独自の眼前構築を生む1枚
前提としてこのカードはかなり強い。ゆえにレンリの眼前構築には独自の判断基準が生じている。このカードを採用したうえで偽証カードの採用を最小化する選択肢だ。後述する使途を意識して様々な構築を試してみよう。
このカードを複数回使うつもりならば、使う偽証カードは計画的に決めておきたい。ゆえに眼前構築の段階で使う予定の回数は考えておいた方がいいだろう。
選択肢の広い対応カード
「玄塗り」を使えば攻撃減衰、「魚吊り」を使えば前ステップ対応、「雲喰い」を使えば手札破壊による連撃防止が行える。いずれも効かない攻め筋はそうそうない。相手の攻め筋を想定し、どういった対応が有効か考えておくといいだろう。
さらにこのカードから使えば対応不可(通常札)を貫通できる。「昏い咢」などへの対策にも役立つぞ。
クロックやリーサルの補助も可能
「都度討ち」を使えば「はらりゆき」に近い形でクロックを補え、相手のオーラを0にできたタイミングがあれば「玄塗り」からの2ダメージが狙える。珍しい事例だろうが「嘘突き」から2/1を追加する選択肢もある。
それぞれの性能が抜けて強いわけではないが、複数回使う計画の中で最適なタイミングを選べれば有益だ。
夜山恋離のなれの果て
【使いやすさ】★★★
【基本性能】久遠ノ花→完全論破→望我を経て3/2近距離攻撃に変化する。
まずは複雑な挙動を把握しよう
使用した返しのターンに「久遠ノ花」を得られ、次の自分のターンでは「完全論破」を使う権利を得る。「久遠ノ花」や「完全論破」を使っておけば「望我」が使用済なので再構成のダメージを無効化して1ライフの仕事ができる。その後に3/2の切札攻撃を得られる。
どの切札も強力であり、トータルでの仕事量も多い。その一方でいずれの切札も本家より弱点を抱えている。説明していこう。
久遠は1ターンの安全を補強
「久遠ノ花」でいられるのは次の相手のターンだけだ。ゆえにリーサル防止のために構え続けられず、自分のターンに-/1として仕事させることもできない。
しかし1ターンだけリーサルを遠ざける機能は十分だ。対カムヰをはじめとして、後半の1ターンを耐えれば勝利に結びつく事例はあるだろう。他の攻撃手段で十分な利得を得た後であればこの使い方も強力だ。
完全論破で相手の行動を操作
次の相手のターンにおいて、相手は次のこちらのターンに「完全論破」が使われうると知っている。ゆえに再構成で捨て札を消し、封印されたくないカードを使わなければ対策できる。
裏を返せば再構成を強要して1ライフ弱の仕事をこなし、相手の行動を抑制しているとも言える。その機能を理解し、適切なタイミングで「なれの果て」を使用するとよいだろう。
望我の利益を最大化しよう
「望我」を6フレア払って使うことはめったにない。このカードの意義は「久遠ノ花」か「完全論破」を使っていればそのターンの再構成が無料になることにある。ゆえに利益を最大化するために「なれの果て」使用の2ターン後に山札が切れている形にしておきたい。
巫女神楽をリーサルに組み込むなら
消費3の2-3、3/2は普通に攻撃として優秀だ。レンリはオーラへの圧力が強いため、リーサルの一翼として十全に仕事をするだろう。そのためにはリーサルを狙うターンできちんと「巫女神楽」になっていなくてはならない。遅くともゲーム中盤には「なれの果て」を使用しておこう。
タイミングは上述した3枚の機能を考慮したい。例えば後手2ターン目なら山札1巡目の攻めを咎めながら、最初の再構成を無料にできうる。先手5ターン目ならば後手5ターン目に早期の再構成を強要しつつ、2回目の再構成を無料にできうる。