この記事ではトッププレイヤーによる季節戦2020夏ノ陣環境への見解を共有します。
季節戦は使用できるメガミがオリジン版の7柱のみに制限されるレギュレーションであり、使用できるメガミは3か月単位で切り替わります。2020夏ノ陣は新型コロナウイルスの影響に伴う例外として2020春ノ陣と同じ7柱にて実施されます。
使用できる7柱は以下の通りです。
季節戦はメガミ7柱分のカードを把握すれば基礎知識の面で後れを取ることはありません。加えて環境もやや狭く、勝利を目指す観点での知識も古参のプレイヤーに追いつきやすいと言えるでしょう。これらの点から本作を始めたばかりの方も安心して挑めるフォーマットです。
そのうえでこの記事を読めば環境における有力な組み合わせが何であるのかを知り、その組み合わせがなぜ強いのかを理解できます。環境の視野を広げ、勝利をつかみましょう!
著者紹介:あかさき
アナログ版シーズン1大規模優勝。シーズン2大規模ベスト4。電子版でも十段を達成し、最先端で遊び続けている強豪プレイヤー。
はじめまして。あかさきと申します。この度季節戦の考察記事を寄稿させていただくこととなりました。
普段は主に関東でふるよにを遊んでおり、時々中部、関西などにも遊びに行ったりしています。好きなメガミはシンラとライラです。
季節戦はふるよにの魅力が詰まったフォーマットだと私は思っており、初心者の方から上級者の方まで、非常に多くの方に楽しんでいただけると考えております。
こちらの記事が季節戦をより楽しくする一助になれば幸いです。
前提
こちらのtier表では「強さ」や「使いやすさ」などを総合的に考え、数が多いだろうと推察される組合せを紹介する。
Tier1
現環境において最も数が多い、もしくは、パワーが高いと考えられる組合せ。
Tier2
Tier1に匹敵する強さを持つ。あるいは、メタ性能としてTier1を倒しうる組合せ。ただし、扱いづらさや弱点があるなどの理由から数はTier1ほど多くはないと考えられる。
今回は、Tier1の組合せを4つと、Tier2から性質の異なる組合せを6つを紹介する。
後述の環境所感でも記載するが、Tier2に含まれる組合せが非常に多く、こちらに掲載がない組合せだからといって弱いなどということは決してないことを先に伝えたい。また、これらTier表は、あぐまで筆者個人の考えに基づくものであり、全く絶対などということはない旨を承知の上、参考にしていただきたい。
環境所感
「電子版」環境の記事でも書いた4つの戦術を再掲する。
ビートダウン:
近、および中間合帯で、相手に攻撃を少しでも多く与えて勝利する。
コントロール:
対応を豊富に構え、一度つけたライフリードを守り切る。
コンボ:
特定のカードのシナジーにより一度に大きな火力を出す。
レンジロック:
間合いを離して(ないしは最接近して)相手の攻撃を受けないようにする。
季節戦春ノ陣および夏ノ陣で選ばれたメガミは、上記のうちビートダウンを得意とするメガミ、コントロールを得意とするメガミが多く、レンジロック、コンボを得意とするメガミ、および組合せが少ない環境である。
このような環境では、からめ手による一方的なゲームが起こりづらく、結果として間合を合わせて攻撃を行う『桜降る代に決闘を』らしいゲーム展開が中心となる。
そうなると大会などで特に意識をしておきたいメガミが2柱いる。ユリナとヒミカである。この2柱は、攻撃力が他のメガミよりも1段抜けているため、攻撃を行い合う展開で強みがある。
これから見ていくTier表をより正確に理解するためにも、先にユリナ、ヒミカそれぞれの強みと対抗策をそれぞれ見ていこう。
ユリナ
このレギュレーションでの主戦場となりがちな間合2-4において、最も火力の高いメガミである。
通常札の攻撃力もさることながら、切札「月影落」が非常に強力であり、このカードで決着するゲームも珍しくない。
「月影落」への対抗策は以下の通り。
対応による打消/軽減
トコヨの「久遠ノ花」やサイネの「音無砕氷」により、受けるダメージを少しでも減らす。
リソース破壊によるフレア妨害
チカゲの毒やウツロの「魔食」「刈り取り」などで、相手のフレアを妨害する。
オーラを4以上維持し続ける
「月影落」そのものは防げなくとも、その前の「一閃」などの2/2攻撃を対応(シンラの「煽動」やチカゲの「遁術」など)で回避することでオーラを維持し、致命傷を避ける。
このようにユリナを相手にしている際には、いかに相手の致命的な一撃を避けるか、という点でのゲームメイク能力が必要となる。特に季節戦で私が「コントロール」に分類した組合せはそれが得意なものが多い。参考にしていただきたい。
ヒミカ
「マグナムカノン」「ラピッドファイア」など、通常札の火力が最も高いメガミ。そのため、受け方を間違えると序盤から手痛いダメージを食らい、よくわからないままそのまま敗北することも珍しくない。
また、「ヴァーミリオンフィールド」などにより瞬間的に間合を離すことで疑似的なレンジロックも行える。
対ヒミカへの対抗策は以下の通り。
手札妨害
ヒミカは火力を手札に依存しているため、チカゲの毒や、ウツロの「黒き波動」で相手の手札を妨害し火力を落とす。
軽減対応
サイネの「衝音晶」やトコヨの「詩舞」などでオーラ3の攻撃を2回オーラで受ける。
まとめて前進する
ヒミカは攻撃するターンとリソースを貯めるターンが明確にあるため、相手の攻撃によってオーラが少なくなったときに一気に前進することを意識する。
Tier1には、近中距離で最も攻撃力の高いユリナ/サイネ、遠距離で最も攻撃力の高いヒミカ/ウツロ、攻防ともに非常に優秀なユリナ/トコヨ、相手を妨害しつつ攻撃力も高いユリナ/チカゲを挙げた。
Tier2には、強力なコンボデッキがあるユリナ/シンラ、トコヨ/シンラ、中距離ビートダウンのサイネ/チカゲ、ユリナ/ウツロ、遠中距離ビートダウンのヒミカ/チカゲ、クロックと打ち消しが強力なトコヨ/ウツロを挙げた。
Tier1
近距離から中距離での攻撃性能の高いユリナとサイネの組合せ。終始攻撃の手を休めることなく相手を疲弊させ、最後は「月影落」などの大型切札を絡めた連撃で勝利を狙う。
「浦波嵐」や「音無砕氷」といった優秀な対応札、「無音壁」や「浮舟宿」のようなオーラ補充も充実しており、攻守ともに高い水準にある。
高い攻撃力を持つユリナと、攻防に優れたトコヨの組合せ。
攻防ともに隙がなく不利マッチが少ない。一方でユリナ、トコヨともに優秀な通常札、切札が多く、相手によって適切なデッキを構築する必要がある。また桜花決闘でも、境地(集中力2)のままターンを返すかどうか、どの攻撃をいつ使うかなどの繊細なプレイが求められる。
序盤から速攻を仕掛けるヒミカと、遠距離火力を持ちつつ相手を妨害できるウツロの組合せ。
1巡目からバックステップ→マグナムカノン→ラピッドファイア→バックドラフト→円月とライフを4-5点奪うことができる。「黒き波動」や「虚偽」により相手の対応にも強い。
ユリナ・チカゲともに火力が高く、かつ、「月影落」への対抗策として有力な「久遠ノ花」を「叛旗の纏毒」により無効化できる点が非常に優秀な組合せ。
防御力がやや貧弱なので、毒による妨害を行いつつ、期を見計らって一気にライフをもぎ取りたい。
Tier2
シンラの「天地反駁」とユリナの「圧気」「浦波嵐」のコンボが強力な組合せ。天地反駁展開中は、「立論」「反論」と合わせて、相手に大きなライフダメージを与えることができる。また、「立論」「反論」でオーラにダメージを与えた後の「月影落」も強力だ。
シンラの「森羅判証」を軸としたデッキがとても強力な組合せ。「森羅判証」展開後、「壮語」3回、「風舞台」、「晴舞台」、「皆式理解」で付与を再度使用することにより、実にライフに6ダメージを与えることが可能。相手の攻撃を「雅打ち」「久遠ノ花」で止められる防御力の高さも魅力。
中距離での攻撃力が高いサイネとチカゲの組合せ。毒により相手の動きを縛りながら準備し、手札が整ったら「遁術」から下がっての連撃を狙う。じわじわと毒を送りつつ耐え忍ぶターンと、攻撃を一気に繰り出すターンとの緩急をつけたプレイングが求められる。
ユリナが苦手とする「久遠ノ花」などをウツロの「虚偽」で無効化できる点が魅力的な組合せ。ユリナ/チカゲとの類似点も多いが、こちらのほうが攻撃力が少し低く防御力が高い組み合わせとなる。ライフをどのようにして奪うかをあらかじめプランニングし、それを遂行することが求められる。
遠距離での火力のあるヒミカと、中距離で火力のあるチカゲの組合せ。特に「バックドラフト」の効果を乗せた「飛苦無」や「流転の霞毒」が強力なので、積極的にこれらを狙いつつ相手のライフを減らしていく。フレア管理が難しいため、必要以上に「流転の霞毒」を打たないよう注意しよう。
防御力に優れたトコヨと、相手の妨害に優れたウツロの組合せ。「雅打ち」「影の壁」などを駆使し、相手からの被弾を最小限に抑え、豊富な後退札を駆使して、1巡で何度も「梳流し」を当てることを狙う。「梳流し」が本来対応でかわされてしまうような相手にも「黒き波動」が刺さる。